ポケットの中のビスケット サイトマップ
ポケットの なかには ビスケットが ひとつ
ポケットを たたくと ビスケットは ふたつ・・・(中略)
たたいて  みるたび ビスケットは ふえる
そんな   ふしぎな ポケットが  ほしい・・・・・ 。
 この曲は、「ふしぎなポケット」まど・みちお作詞/渡辺茂作曲で、広く知られていますが、子供達の願望を素直に歌っていて、誰もが共感できる内容となっています。なるべく沢山の物を欲しくなるのは人情でしょう。本当に増えるのではないかと思いながら、ポケットをたたいた覚えは有りませんか。
 しかし、大人となると話は別です。成果の有ること、お金につながること、有名になること、その欲望は尽きることがありませんが、同時に得たことに対する責任も増えているはずです。
 ところが、責任だけを回避して、取ったもの勝ちを狙う大人が多いことに驚きます。見たくない物には蓋をして、自分の手元に数限りなくビスケットを集め続け、腐らせて食べることすら出来なくなっています。
 果たして現代の成功者は、子供の頃に欲しかったビスケットに込められた、夢や希望や未来は影を潜め、ただ単に物を集める醜態をさらしながら、甘くふくらんだ、信念のかけらもない人生を迷惑をかけながら過ごしています。
 お天道さまはご覧になっています。ましてや、大日如来さまのご覧に成るところに日陰は有りません。全てが白日の下にさらされます。
 しかし、そのこころの眼は、自分で育てていく以外に方法は有りません。癒されない不安や、怒りに満ちた嫉妬の心を捨てて、安らかで満ち足りたこころをどうすれば身につけることが出来るのでしょうか。
 その方法として出来ることは、取られる心配もなく、追いつかれる恐怖心も起こらない仏さまの修行です。ありがたいことに皆さんは、その教えに接して生活を送っています。これほどの安心は有りません。理屈ではなく、仏さまやご先祖さまが与えて下さっている無償の慈愛を身体で感じましょう。
 具体的には、弘法大師さまが、「三摩耶戒」(さんまやかい)のご真言(オン・サンマヤ・サトバン)を通して、最後まであきらめずに努力する事を教えて下さっています。その一つとして「正しい教えを、惜しまずに伝えて行きましょう。」と言われました。与えることの大切さを示していらっしゃいます。
 それは、道を求めて努力する姿勢そのものが、周りの人々にとって「ふしぎなポケット」のように、与える存在に成り、互いに感謝しあう人間関係を築き上げていくことを顕しています。
 もちろん、仏さまのような心持ちには、おいそれと成れませんが、思うこと、手伝うこと、成ろうと努力すること、成った気になって責任を感じること等、人それぞれに方法や段階は有ると思います。
 新しい年に向けて、「何をしてくれるのか」と欲求する気持ちを端に置いて、「何をしてあげられるだろう」と言う与える心を起こしてみてはいかがでしょうか。明るい未来が見えてくるかも知れませんよ。
平成20(2008)年師走:修詮記

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